団体旅行で韓国のソウルに行く場合、多くの観光地があり、どこへ行こうか迷われると思います。
今回は良くいかれる観光地を15選とし掲載させて頂きます。

1. 景福宮(キョンボックン)

ソウル観光のハイライトであり、韓国の歴史と文化の象徴ともいえる場所が、朝鮮王朝(1392-1910)の第一の王宮であった景福宮です。1395年に太祖・李成桂によって創建され、ソウルに現存する五大王宮の中でも最大規模と最高の格式を誇ります。その広大な敷地には、国宝に指定されている勤政殿(クンジョンジョン)や慶会楼(キョンフェル)をはじめとする数々の壮麗な建築物が点在し、訪れる人々を王朝時代へと誘います。

景福宮の正殿である「勤政殿」は、王の即位式や国の重要な儀式が執り行われた場所であり、その堂々たる姿は圧巻です。内部の天井には王の権威を象徴する七つの爪を持つ龍「七爪龍」が描かれており、細部にまでこだわった装飾は必見です。また、池の上に浮かぶように建てられた「慶会楼」は、王が臣下たちと宴を催した場所で、その建築美と周囲の自然との調和は、韓国を代表する美しい風景の一つとして知られています。

景福宮を訪れる際の大きな楽しみの一つが、毎日行われる「王宮守門将交代儀式」です。朝鮮時代の衣装をまとった兵士たちが、伝統的な楽器の音色に合わせて行進し、任務を交代する様子は、まるで時代劇のワンシーンのようです。この儀式は、光化門(クァンファムン)と興礼門(フンネムン)周辺で、1日2回(10時と14時)行われ、多くの観光客で賑わいます。

さらに、景福宮の魅力をより深く体験したいなら、韓服(ハンボク)のレンタルがおすすめです。周辺には数多くのレンタルショップがあり、色とりどりの美しい韓服を身にまとって宮殿を散策すれば、まるで王朝時代にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。韓服着用者は入場料が無料になるという嬉しい特典もあり、多くの人々が華やかな衣装で写真撮影を楽しんでいます。敷地は非常に広大なので、時間に余裕を持ち、歩きやすい靴で訪れることをお勧めします。ソウルの中心で韓国の歴史の息吹を最も強く感じられる、まさに必見のスポットです。

  • アクセス: 地下鉄3号線「景福宮」駅 5番出口すぐ

2. 明洞(ミョンドン)

ソウルを訪れる観光客が必ずと言っていいほど足を運ぶ、韓国最大のショッピングタウンが明洞です。メインストリートから無数の路地に至るまで、コスメショップ、ファッションブティック、デパート、免税店、レストラン、エステなどがひしめき合い、常に活気に満ちています。日本語が通じる店員も多く、日本人観光客にとっては最も安心してショッピングや食事を楽しめるエリアと言えるでしょう。

明洞の代名詞ともいえるのが、韓国コスメです。innisfree、ETUDE HOUSE、NATURE REPUBLICといった人気ブランドの旗艦店が軒を連ね、最新の製品から定番の人気商品まで、あらゆるコスメがここで手に入ります。各店舗では、割引セールや「1+1(ワンプラスワン)」といったお得なキャンペーンが頻繁に行われ、無料のサンプルを配る光景も日常的です。数多くのブランドを一度に比較検討できるため、コスメ好きにはまさに天国のような場所です。

ファッションにおいても、明洞はトレンドの発信地です。ZARAやH&Mといったグローバルブランドから、韓国発のSPAブランド「SPAO」や「8seconds」、個性的なセレクトショップまでが揃い、幅広い年齢層のニーズに応えています。また、「ロッテ百貨店本店」や「新世界百貨店本店」といった老舗デパートもあり、高級ブランド品から食料品まで、質の高いショッピングが楽しめます。

夕方になると、メインストリートにはカラフルな屋台(ポジャンマチャ)がずらりと並び始め、街はさらなる賑わいを見せます。定番のトッポッキやキンパ、ホットクはもちろん、チーズを乗せた焼きロブスターやフルーツ飴「タンフル」など、写真映えする最新のストリートフードも次々と登場します。食べ歩きをしながらショッピングを楽しむのも、明洞ならではの醍醐味です。

また、明洞はグルメの激戦区でもあります。ジューシーなカルビやサムギョプサルが味わえる焼肉店、鶏一羽を丸ごと煮込んだタッカンマリ、本場の味を楽しめる明洞餃子やカルグクス(韓国風うどん)の有名店など、数々の名店が集まっています。ショッピングの合間に、本場の韓国料理でエネルギーをチャージするのも楽しみの一つです。ソウルの「今」を体感できるエネルギッシュな街、明洞は、何度訪れても新しい発見がある魅力的な場所です。

  • アクセス: 地下鉄4号線「明洞」駅、または2号線「乙支路入口」駅

3. Nソウルタワー

ソウルの中心部、南山(ナムサン)の頂上にそびえ立つNソウルタワーは、街のどこからでもその姿を望むことができる、ソウルの象徴的なランドマークです。海抜479.7メートルの高さからソウル市内を360度一望できる展望台は、訪れる人々に忘れられない感動を与えてくれます。昼間は、漢江(ハンガン)の流れや遠くに連なる山々まで見渡せるダイナミックなパノラマが広がり、夜には、無数の街の灯りが宝石のようにきらめく、息をのむほど美しい夜景を楽しむことができます。

Nソウルタワーへのアクセスは、南山の麓から出発する「南山ケーブルカー」を利用するのが最も一般的で人気があります。ケーブルカーでゆっくりと山を登っていく間も、徐々に眼下に広がるソウルの景色を楽しむことができ、タワーへの期待感を高めてくれます。ケーブルカー乗り場までは、明洞駅から徒歩、または無料の循環エレベーター「南山オルミ」を利用すると便利です。

タワーの展望台は、最新のデジタル技術を駆使した展示も魅力の一つです。窓には世界の主要都市の方角と距離が示されており、自分が世界のどこにいるのかを実感できます。また、夜には展望台へ向かうエレベーター内の天井に映し出される幻想的な映像演出もあり、頂上へ着くまでの時間も楽しませてくれます。

Nソウルタワーは、恋人たちの聖地としても有名です。タワーの屋外テラスには、「愛の南京錠」がびっしりと取り付けられたフェンスがあります。カップルが永遠の愛を誓い、名前を書いた南京錠をかけて鍵を投げるというロマンチックなイベントで、世界中から訪れたカップルの愛の証が、カラフルなオブジェのようにテラスを彩っています。

展望台以外にも、タワー内にはフレンチレストランやカジュアルなカフェ、ギフトショップなどが充実しており、景色を眺めながら食事や休憩を楽しむことができます。特に、タワーの最上階にある回転レストラン「n・GRILL」では、約1時間40分かけて一周しながら、ソウルの全景と共に高級フレンチを堪能するという、特別な時間を過ごすことができます。ソウル旅行の思い出に、昼夜問わず訪れたい絶景スポットです。

  • アクセス: 地下鉄4号線「明洞」駅 3番出口から徒歩約10分で南山ケーブルカー乗り場へ

4. 東大門市場(トンデムンシジャン)

「眠らない街」として世界的に知られる東大門市場は、ソウルを代表する巨大ファッションマーケットです。その最大の特徴は、昼夜を問わずショッピングが楽しめること。特に深夜から早朝にかけては、全国から集まるバイヤーたちで最も活気づき、その熱気は他のどのショッピングエリアとも一線を画します。東大門は、巨大なファッションビルが立ち並ぶ「リテール(小売)エリア」と、主に業者を対象とした「ホールセール(卸売)エリア」に大きく分かれています。

観光客が主に訪れるのは、「doota! MALL(ドゥータモール)」や「ミリオレ」、「ハローapM」といった小売専門のファッションビルです。これらのビルには、韓国の若手デザイナーによる最新モードのアイテムから、手頃な価格のトレンドファッション、アクセサリー、靴、バッグまで、あらゆるものが揃っています。特に「doota! MALL」は、洗練された内装と質の高い品揃えで知られ、ファッション感度の高い人々に人気です。営業時間が深夜や早朝までと長いのも魅力で、時間を気にせずゆっくりと買い物を楽しめます。

一方、卸売エリアのビルは、深夜0時頃から営業を開始し、早朝にかけてピークを迎えます。基本的に業者向けの販売ですが、一般客でも購入可能な店舗も多くあります。ただし、卸売のため、同じ商品を複数点購入することが条件であったり、試着やクレジットカードが利用できない場合があるなど、独自のルールが存在します。しかし、その分、小売店よりも格安で商品を手に入れることができるため、ファッション好きなら一度は挑戦してみる価値があるでしょう。

ショッピングだけでなく、東大門は歴史的建造物も見どころの一つです。エリアの名前の由来となった「興仁之門(フンインジムン)」は、ソウル城郭の東の正門であり、韓国の宝物第1号に指定されています。ライトアップされた夜の姿は特に美しく、近代的なファッションビル群との対比が印象的です。

また、東大門デザインプラザ(DDP)は、その未来的で斬新な建築デザインで知られる複合文化空間です。有名建築家ザハ・ハディド氏が設計した建物は、それ自体がアート作品のよう。内部ではファッションショーや展示会、イベントが常時開催されており、ソウルのデザインとアートの最先端に触れることができます。夜には建物の壁面にLEDのバラが咲き誇る「LEDバラ庭園」が幻想的な雰囲気を醸し出します。グルメも充実しており、「タッカンマリ横丁」や「焼き魚横丁」など、ショッピングの合間に立ち寄りたい名物通りもあります。ファッション、文化、歴史、グルメが融合した、エキサイティングなエリアです。

  • アクセス: 地下鉄1・4号線「東大門」駅、または2・4・5号線「東大門歴史文化公園」駅

5. 北村韓屋村(プッチョンハノクマウル)

ソウルの中心部、景福宮と昌徳宮という二つの壮大な王宮の間に位置する北村韓屋村は、近代的な高層ビルが立ち並ぶソウルの風景とは一線を画す、伝統的な韓国家屋「韓屋(ハノク)」が密集するエリアです。朝鮮時代には王族や両班(ヤンバン)と呼ばれる貴族階級が暮らしていた高級住宅街であり、その歴史と風情が今なお色濃く残っています。瓦屋根が連なる美しい街並みは、まるで時代を遡ったかのような感覚を覚えさせ、訪れる人々を魅了します。

北村の魅力は、ただ古い家屋が保存されているだけでなく、現在も多くの人々が実際に生活を営んでいる「生きた博物館」であるという点です。そのため、観光の際には、住民の生活に配慮し、静かに散策することが求められます。細い路地を歩けば、美しい瓦屋根、趣のある木の扉、小さな中庭など、韓屋ならではの建築美を随所で発見することができます。

このエリアには「北村八景」と呼ばれる、特に美しい景色を望める8つのビュースポットが設定されています。中でも、丘の上から密集する韓屋の屋根とその向こうに広がる近代的なソウルのビル群を一望できるスポットは、伝統と現代が共存するソウルを象徴する風景として非常に人気があります。これらのスポットを巡りながら、自分だけのお気に入りの風景を探すのも、北村散策の楽しみ方の一つです。

近年、北村韓屋村では、伝統的な韓屋をリノベーションしたお洒落なカフェやレストラン、セレクトショップ、ゲストハウスなどが数多くオープンしています。伝統茶や韓国スイーツを味わえるカフェで一息ついたり、韓国の若手アーティストによる作品を扱うギャラリーを覗いたり、伝統工芸の工房で体験プログラムに参加したりと、多彩な楽しみ方ができます。

景福宮と同様に、北村でも韓服をレンタルして散策するのが大人気です。色鮮やかな韓服を身にまとい、風情ある韓屋の路地を背景に写真を撮れば、忘れられない旅の思い出になること間違いありません。ソウルの喧騒から少し離れ、ゆったりとした時間の中で韓国の伝統美に触れたいなら、ぜひ訪れたい場所です。

  • アクセス: 地下鉄3号線「安国」駅 2番または3番出口から徒歩

6. 仁寺洞(インサドン)

仁寺洞は、伝統と現代が絶妙に融合した、ソウルで最も韓国らしい情緒を感じられるエリアの一つです。メインストリートである仁寺洞ギルには、骨董品店、伝統工芸品店、韓服店、筆や硯を扱う文房四宝店、そしてギャラリーなどが軒を連ね、まるで街全体が美術館のような雰囲気を醸し出しています。大通りから一歩脇道に入ると、迷路のように入り組んだ路地が広がり、そこには伝統的な韓屋を改造したレストランや、心安らぐ伝統茶屋が隠れるように佇んでいます。

仁寺洞のランドマーク的存在が「サムジギル」です。ここは、韓国の若手デザイナーやアーティストによるユニークな雑貨やアクセサリー、ファッションアイテムなどを扱う小さな店が集まった複合ショッピングモールです。らせん状のスロープを上りながら、個性あふれる約70の店舗を巡るというユニークな構造になっており、ショッピングを楽しみながら建物全体を見て回るだけでも楽しめます。最上階には、カフェやレストラン、そしてカップルに人気の「愛の塀」があり、多くの人々で賑わっています。

仁寺洞は、韓国の伝統文化に触れる絶好の場所です。数多くある伝統茶屋では、五味子茶(オミジャチャ)や柚子茶(ユジャチャ)、ナツメ茶(テチュチャ)といった健康に良いお茶を、伝統菓子「韓菓(ハングァ)」と共に味わうことができます。静かで落ち着いた雰囲気の中で、旅の疲れを癒すひとときは格別です。また、自分の名前をハングルで彫ってもらえるオリジナル印鑑作りや、韓紙(ハンジ)を使った工芸品作りなど、様々な文化体験プログラムに参加することもできます。

グルメにおいても、仁寺洞は伝統的な韓国料理を堪能できる場所として知られています。野菜中心のヘルシーな料理が並ぶ韓定食の店や、昔ながらの製法で作られる開城(ケソン)マンドゥ(餃子)の専門店など、歴史ある名店が数多く存在します。路地裏にひっそりと佇む名店を探して歩くのも、仁寺洞散策の楽しみの一つです。

メインストリートは週末には歩行者天国となり、伝統公演やパフォーマンスが繰り広げられ、一層の賑わいを見せます。お土産探しにも最適で、質の良い伝統工芸品から、可愛らしいハングルモチーフの雑貨まで、多種多様な品物が揃います。ソウルの中心で、韓国の古き良き文化とアートの香りに浸りたいなら、仁寺洞は必見のエリアです。

  • アクセス: 地下鉄3号線「安国」駅 6番出口、または地下鉄1号線「鐘閣」駅 3番出口

7. 弘大(ホンデ)

ソウルの若者文化とアートシーンを牽引する街、それが弘大(ホンデ)です。韓国屈指の美術大学である弘益(ホンイク)大学の周辺に広がるこのエリアは、常にエネルギッシュでクリエイティブな空気に満ちています。インディーズバンドのライブハウス、個性的なクラブ、小劇場などが数多く点在し、夜遅くまで若者たちの熱気で溢れかえっています。

弘大の街を歩けば、いたるところでストリートパフォーマンスに出会うことができます。ダンス、歌、マジックなど、未来のスターを目指す若者たちが繰り広げるレベルの高いパフォーマンスは、弘大の風物詩ともなっており、多くの人々が足を止めて見入っています。特に週末の夜には、「歩きたい通り」を中心に、街全体がライブ会場のような盛り上がりを見せます。

ファッションにおいても、弘大は独自のスタイルを発信する場所です。大手ブランドよりも、個人のデザイナーが運営する小規模なセレクトショップや、ユニークな古着屋が多く、他では手に入らない一点物を見つける楽しみがあります。手頃な価格でお洒落なアイテムが揃うため、学生や若者を中心に絶大な人気を誇っています。

また、弘大は個性的なカフェやレストランが密集するエリアとしても有名です。動物と触れ合えるアニマルカフェ(犬、猫、ミーアキャットなど)、有名キャラクターをテーマにしたコンセプトカフェ、SNS映えするフォトジェニックなスイーツを提供するカフェなど、その種類は実に様々です。どの店も内装やメニューに工夫を凝らしており、カフェ巡りだけでも一日中楽しむことができます。

グルメも多種多様で、学生街らしくリーズナブルでボリューム満点の食堂から、サムギョプサルやチーズタッカルビといった定番の韓国料理店、世界各国の料理を提供するレストランまで、選択肢は無限大です。夜には、チキンとビールを楽しむ「チメク」の店や、マッコリが人気の居酒屋が賑わいます。

弘大エリアは、メインの弘大入口駅周辺だけでなく、隣の合井(ハプチョン)駅や上水(サンス)駅周辺まで広がっており、それぞれに異なる雰囲気を持っています。アート、音楽、ファッション、グルメ、そして尽きることのない若者のエネルギーが融合した弘大は、ソウルの「今」を最もリアルに感じられる、刺激的な街です。

  • アクセス: 地下鉄2号線・空港鉄道・京義中央線「弘大入口」駅

8. 江南(カンナム)エリア

2012年に世界的大ヒットとなったPSYの曲「江南スタイル」で一躍その名を知られるようになった江南(カンナム)は、ソウルの中でも特に洗練され、裕福なイメージを持つエリアです。漢江の南側に位置し、高層ビルが林立するビジネス街であると同時に、最先端のファッション、ビューティー、グルメが集まるトレンドの発信地でもあります。

江南エリアのショッピングの中心地として知られるのが、地下鉄・新沙(シンサ)駅近くの「カロスキル」です。日本語で「並木道」を意味するこの通りには、道の両側に美しいイチョウの木が植えられ、その間にお洒落なセレクトショップ、有名ブランドの旗艦店、デザイナーズブティック、そして洗練されたカフェやレストランが軒を連ねています。最新のトレンドを反映したアイテムが多く、ウィンドウショッピングをするだけでも楽しめます。カロスキルのメインストリートから一本入った路地裏(セロスキル)には、さらに個性的で隠れ家的な店が点在しており、宝探しのような感覚で散策するのもおすすめです。

江南は「ビューティーベルト」と呼ばれるほど、美容外科や皮膚科、エステサロンが密集していることでも有名です。世界中から美を求める人々が訪れるこのエリアは、韓国の美容産業の最前線と言えるでしょう。

また、江南はK-POPファンにとっての聖地でもあります。かつてSMエンターテインメントやJYPエンターテインメントといった大手芸能事務所がこのエリアに社屋を構えていたことから、「K-Star ROAD」が造成されました。狎鴎亭(アックジョン)ロデオ駅から清潭(チョンダム)交差点まで続くこの通りには、東方神起、BTS、EXOといった人気K-POPアイドルの名前が刻まれたクマのオブジェ「江南ドル(GangnamDol)」が並んでおり、絶好の記念撮影スポットとなっています。アイドル御用達のレストランやカフェを巡るのも、ファンにとっては大きな楽しみの一つです。

夜になると、江南駅周辺はビジネスマンや若者たちで賑わうグルメとナイトライフの中心地に変わります。数えきれないほどの飲食店や居酒屋、バー、クラブが集まり、夜遅くまで活気に満ちています。ソウルの華やかでモダンな一面を体験したいなら、江南は外せないエリアです。

  • アクセス: 地下鉄2号線・新盆唐線「江南」駅、地下鉄3号線「新沙」駅、盆唐線「狎鴎亭ロデオ」駅など

9. ロッテワールドタワー&ロッテワールド

ソウル南東部の蚕室(チャムシル)に位置するロッテワールドは、天候を気にせず一日中楽しめる巨大複合エンターテインメント施設です。その中心となるのは、屋内テーマパーク「アドベンチャー」と、屋外の湖に浮かぶ「マジックアイランド」からなるテーマパーク「ロッテワールド」と、韓国で最も高い超高層ビル「ロッテワールドタワー」です。

「ロッテワールド」は、アトラクション、パレード、アイススケートリンクまで備えた、まさに夢の国です。屋内の「アドベンチャー」は、4階建ての吹き抜け構造になっており、メリーゴーランドやジェットコースター、バイキングなど、子供から大人まで楽しめる様々なアトラクションが揃っています。季節やイベントに合わせた華やかなパレードやショーも毎日開催され、訪れる人々を魅了します。屋外の「マジックアイランド」には、絶叫系のスリル満点なアトラクションが中心で、湖の景色を楽しみながらスリルを味わうことができます。

一方、ロッテワールドの隣にそびえ立つのが、高さ555メートル、123階建ての「ロッテワールドタワー」です。このタワーの117階から123階に位置する展望台「ソウルスカイ」は、ソウルで最も高い場所から街を一望できる絶景スポットです。高速エレベーター「スカイシャトル」で展望台に到着すると、足元までガラス張りになった「スカイデッキ」があり、まるで空中に立っているかのようなスリルと、360度に広がるソウルの大パノラマを同時に体験できます。天気の良い日には、遠く仁川の海まで見渡すことができます。

ロッテワールドタワーとロッテワールドは、巨大なショッピングモール「ロッテワールドモール」で繋がっています。ここには、国内外の有名ブランドが集まる「アヴェニュエル」、ロッテ免税店、大型マート、映画館、そして都心型のアクアリウムまで、あらゆる施設が揃っています。特に「ロッテワールドアクアリウム」は、韓国最大のメイン水槽や、85メートルに及ぶ水中トンネルが人気で、家族連れやカップルで賑わっています。

テーマパークで思い切り遊び、展望台からの絶景に感動し、ショッピングやグルメも満喫できるロッテワールドエリアは、エンターテインメントのすべてが詰まった場所です。一日では遊び尽くせないほどの魅力があり、あらゆる年齢層の人が楽しめる、ソウルを代表する総合レジャースポットです。

  • アクセス: 地下鉄2・8号線「蚕室」駅 直結

10. 昌徳宮(チャンドックン)

ソウルに現存する五大王宮の中で、唯一ユネスコ世界文化遺産に登録されているのが昌徳宮です。景福宮が朝鮮王朝の正宮として法律と儀礼に基づいて直線的に配置されているのに対し、昌徳宮は、北岳山の麓の自然の地形を巧みに活かして建てられており、その建築群と自然との調和の美しさが高く評価されています。約270年もの間、朝鮮王朝の王たちが最も長く過ごした宮殿としても知られています。

昌徳宮の正殿である「仁政殿(インジョンジョン)」や、王の執務室であった「宣政殿(ソンジョンジョン)」など、主要な建物を巡るだけでも、その歴史の重みと建築美を感じることができますが、昌徳宮の真の魅力は、宮殿の裏手に広がる広大な後苑(フウォン)、別名「秘苑(ピウォン)」にあります。

後苑は、王と王族たちの憩いの場として造られた庭園で、人の手を加えすぎず、自然の地形をそのまま活かした造りが特徴です。敷地内には、芙蓉池(プヨンジ)とそこに浮かぶ芙蓉亭(プヨンジョン)、観覧亭(クァルラムジョン)、尊徳亭(トンドクチョン)など、様々な形をした 정자(チョンジャ、あずまや)や池が点在し、四季折々の美しい風景を見せてくれます。春には花々が咲き乱れ、夏は緑が深まり、秋には燃えるような紅葉が水面に映り、冬は雪景色が静寂な美しさを醸し出します。この後苑は、自然保護のため、ガイド付きの観覧ツアー(予約制)でのみ入場が可能です。日本語のツアーも実施されているため、事前に予約をして訪れることを強くお勧めします。

また、昌徳宮では、春と秋の夜間に「月光紀行」という特別観覧プログラムが開催されます。提灯を片手に、ライトアップされた宮殿や後苑をガイドの解説付きで巡るこのツアーは、昼間とは全く異なる幻想的でロマンチックな雰囲気を味わうことができ、非常に人気が高く、チケットはすぐに完売してしまいます。

華やかで壮大な景福宮とは対照的に、自然と一体となった落ち着きと優雅さを感じさせる昌徳宮。韓国の伝統的な造園技術と建築の粋が詰まったこの場所は、ソウルの喧騒を忘れ、心静かに歴史と自然の美しさに浸ることができる貴重な空間です。

  • アクセス: 地下鉄3号線「安国」駅 3番出口から徒歩約5分

11. 南大門市場(ナンデムンシジャン)

600年以上の歴史を持つ南大門市場は、ソウルで最も古く、そして最大級の伝統市場です。その名前は、近くに位置する崇礼門(スンネムン、通称:南大門)に由来します。衣類、アクセサリー、子供服、キッチン用品、民芸品、食料品、輸入品など、「無いものは無い」と言われるほど多種多様な品物が、所狭しと並ぶ店舗で売られており、その数は1万店を超えると言われています。

南大門市場の魅力は、何といってもその活気とエネルギーです。迷路のように入り組んだ路地には、商品を運ぶバイクやカートが忙しく行き交い、店主たちの威勢の良い呼び込みの声が響き渡ります。この雑多でエネルギッシュな雰囲気こそが、南大門市場の醍醐味であり、ただ歩いているだけでも楽しむことができます。

東大門がファッションに特化しているのに対し、南大門はより生活に密着した品揃えが特徴です。特に、子供服の卸売ビルは有名で、デザイン豊富で質の良い子供服を非常に安く手に入れることができるため、韓国国内の親たちだけでなく、海外からの観光客にも大人気です。また、アクセサリーの卸売ビルも、驚くほどの品揃えと安さで、自分用やお土産を探す女性客で常に賑わっています。

南大門市場は、グルメ天国としても知られています。市場の中には、安くて美味しい庶民的なグルメを味わえる「カルグクス横丁」や「太刀魚横丁」といった名物通りがあります。特にカルグクス横丁では、カルグクス(韓国風手打ちうどん)を注文すると、ビビン冷麺や麦飯がサービスで付いてくるという、市場ならではの情の厚さを体験できます。また、行列ができることで有名な「野菜ホットク」の屋台も必見です。外はカリカリ、中はもちもちの生地に、チャプチェ(韓国風春雨炒め)がたっぷり入ったこのホットクは、南大門を訪れたら必ず食べたいB級グルメの代表格です。

韓国海苔や高麗人参、キムチといった定番のお土産も、市場ならではのリーズナブルな価格で購入できます。店主との価格交渉も市場での買い物の楽しみの一つ。近代的なデパートやショッピングモールとは全く異なる、韓国の庶民の生活の息吹と温かさを感じることができる南大門市場は、ソウル旅行の際にはぜひプランに加えたい魅力的なスポットです。

  • アクセス: 地下鉄4号線「会賢」駅 5番または6番出口すぐ

12. 広蔵市場(クァンジャンシジャン)

広蔵市場は、1905年に国内初の常設市場として誕生した、100年以上の歴史を誇る伝統市場です。もともとは韓服や布地を扱う問屋市場として発展しましたが、現在では、観光客にとっては何といっても「食の宝庫」、特にB級グルメの聖地として絶大な人気を博しています。市場の中央には、数多くの屋台がずらりと並ぶ「うまいもん通り」があり、その活気と熱気は圧巻です。

広蔵市場の代名詞とも言えるグルメが「ピンデトック」です。緑豆を石臼で挽いて生地を作り、野菜などを混ぜて鉄板で香ばしく揚げ焼きにした、韓国風お好み焼きのような料理です。外はカリッと、中はふんわりとした食感が特徴で、マッコリとの相性は抜群です。市場のいたるところで、目の前で緑豆を挽き、次々とピンデトックを揚げる光景を見ることができ、その香ばしい匂いが食欲をそそります。

もう一つの名物が「麻薬キンパ」です。麻薬という少し怖い名前がついていますが、これは「一度食べたらやめられない」中毒性のある美味しさから名付けられました。ニンジンやたくあんといったシンプルな具材を、ごま油と塩で味付けしたご飯で巻いた小さな海苔巻きで、ピリ辛のからし醤油につけて食べるのが特徴です。その素朴ながらも後を引く味わいは、多くの人々を虜にしています。

さらに、新鮮なユッケを求めて多くの人が訪れる「ユッケ通り」も広蔵市場の見どころの一つです。新鮮な生の牛肉を、ごま油や醤油、梨などと和えたユッケは、日本ではなかなか味わえなくなった逸品。ここでは、新鮮なユッケをご飯に乗せたユッケビビンバや、活きたテナガダコを添えた「ユッケタンタンイ」などを、驚くほどリーズナブルな価格で堪能できます。

その他にも、スンデ(豚の腸詰め)、トッポッキ、豚足(チョッパル)など、韓国の庶民的な料理を提供する屋台がひしめき合っています。屋台のベンチに地元の人々と肩を並べて座り、活気あふれる雰囲気の中で味わう料理は格別です。韓国のリアルな食文化と人々のエネルギーを肌で感じたいなら、広蔵市場は絶対に外せないスポットです。

  • アクセス: 地下鉄1号線「鍾路5街」駅 8番出口すぐ

13. 梨泰院(イテウォン)

梨泰院は、ソウルの中でも特に異国情緒あふれる、国際色豊かなエリアとして知られています。その歴史は、かつて近くに米軍基地があったことに遡り、現在も多くの外国人居住者や大使館が集まることから、多国籍な文化が根付いています。メインストリートを歩けば、英語をはじめ様々な言語が飛び交い、まるで海外の都市を訪れたかのような気分を味わえます。

この街の最大の魅力は、その多様な食文化にあります。トルコ、インド、パキスタン、メキシコ、ブラジル、ギリシャなど、世界各国の本格的な料理を味わえるレストランが軒を連ねる「世界グルメ通り」は、食通たちを惹きつけてやみません。ソウルにいながらにして、世界中のグルメツアーを楽しむことができるのは梨泰院ならではの体験です。

梨泰院はまた、洗練されたナイトライフの中心地としても有名です。お洒落なルーフトップバーやラウンジ、エネルギッシュなクラブ、気軽に一杯楽しめるパブなどが数多くあり、夜になると国内外から多くの人々が集まります。特に、隣接する経理団通り(キョンニダンキル)や漢南洞(ハンナムドン)にかけてのエリアには、個性的なバーやカフェが点在し、感度の高い若者たちに人気のスポットとなっています。

ファッションにおいても、梨泰院は独自の地位を築いています。大きなサイズや個性的なデザインの衣類を扱う店が多く、他のエリアでは見つからないようなユニークなアイテムを探すことができます。また、アンティーク家具や雑貨を扱う「アンティーク家具通り」もあり、インテリア好きにはたまらない散策スポットとなっています。

近年では、人気ドラマ『梨泰院クラス』の舞台となったことで、その知名度はさらに高まりました。ドラマのロケ地を巡るファンも多く訪れ、街は新たな活気を見せています。

多様な人種と文化が交差し、自由で開放的な雰囲気が漂う梨泰院。ソウルの他のエリアとは一味違った刺激と、グローバルな空気を体感したいなら、ぜひ訪れてみてください。

  • アクセス: 地下鉄6号線「梨泰院」駅

14. COEX(コエックス)

江南エリアの三成洞(サムソンドン)に位置するCOEXは、コンベンションセンター、展示場、ショッピングモール、映画館、アクアリウム、ホテルなどが一体となった巨大な複合施設です。一日中いても飽きないほどのエンターテインメントが集結しており、特に雨の日や猛暑・極寒の日でも快適に過ごせる、全天候型の観光スポットとして人気を博しています。

COEXの最も象徴的なスポットであり、SNSで一躍有名になったのが「スターフィールド・ライブラリー(ピョルマダン図書館)」です。巨大なショッピングモール「スターフィールドCOEXモール」の中心に位置するこの図書館は、吹き抜けの空間にそびえ立つ高さ13メートルの巨大な本棚が圧巻です。約5万冊の蔵書が天井までぎっしりと並ぶ光景は、息をのむほどの美しさ。誰でも無料で利用でき、自由に本を読んだり、写真を撮ったりすることができます。夜にはライトアップされ、さらに幻想的な雰囲気に包まれます。

COEXモール内には、ファッション、コスメ、雑貨など、国内外の様々なブランドショップが集まっており、ショッピングも存分に楽しめます。また、レストランやカフェも充実しており、選択肢の多さに迷ってしまうほどです。

家族連れやカップルに特に人気なのが「COEXアクアリウム」です。約650種、4万匹もの海の生き物たちに出会える都心型の水族館で、韓国最大のサメの生息数を誇ります。トンネル型の水槽や、電話ボックス、冷蔵庫などをモチーフにしたユニークな展示方法も面白く、見どころが満載です。

さらに、SMエンターテインメントが運営していた複合文化空間「SMTOWN@coexartium」の跡地には、大型メディアサイネージが設置されるなど、K-POPファンが楽しめる要素も健在です。

ビジネス、ショッピング、カルチャー、エンターテインメントのすべてが詰まったCOEXは、ソウルのモダンで洗練された側面を体験できる場所です。江南エリアを訪れる際には、ぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。

  • アクセス: 地下鉄2号線「三成」駅 5・6番出口直結、または地下鉄9号線「奉恩寺」駅 7番出口直結

15. 梨花洞壁画村(イファドンビョッカマウル)

梨花洞壁画村は、ソウルの中心部から少し離れた駱山(ナクサン)公園の麓に広がる、アートな魅力にあふれたエリアです。もともとは古い住宅が密集する静かな地域でしたが、2006年に文化体育観光部が推進した「アート・イン・シティ」プロジェクトの一環として、約70人ものアーティストが参加し、街のあちこちの壁や階段に美しい壁画やオブジェを描きました。これにより、街全体が「路上美術館」として生まれ変わり、多くの観光客が訪れる人気スポットとなりました。

この村の魅力は、急な坂道や入り組んだ路地に沿って、次々と現れるユニークでフォトジェニックなアート作品です。中でも、階段に描かれた色鮮やかな鯉の絵や、壁に描かれた大きな天使の羽は特に有名で、絶好の写真撮影スポットとして常に行列ができています。来訪者は、まるでアート作品の一部になったかのような、ユニークな写真を撮ることができます。

散策の途中には、街の風景に溶け込むように佇む小さなカフェやギャラリーも見つかります。アート鑑賞の合間に、丘の上にあるカフェでソウル市内の景色を眺めながら休憩するのも、この村ならではの楽しみ方です。

ただし、北村韓屋村と同様に、梨花洞壁画村も実際に人々が暮らす生活の場です。観光客の増加に伴う騒音などが問題となった時期もあり、一部の有名な壁画が住民によって消されてしまったという経緯もあります。そのため、この場所を訪れる際には、大声で話したり、住民のプライバシーを侵害したりすることのないよう、静かにマナーを守って散策することが非常に重要です。

東大門市場や大学路(テハンノ)といったエリアからも比較的近いため、併せて訪れるのもおすすめです。アートと人々の暮らしが融合した、心温まる風景に出会える梨花洞壁画村は、ソウルの少し違った一面を発見できる魅力的な場所です。

  • アクセス: 地下鉄4号線「恵化」駅 2番出口から徒歩約10分
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